映画「天使と悪魔」(2009) #2
私は好きな作品は何度も観てしまう。この作品もその1つだ。
ここでは観た感想や作品としてどうか?という評価に関することではなく、繰り返し観て気付いたことや、考えたことを書くことにする。
ここから先は、シーンの詳細を書いているため、知りたくない方は読まないよう、ご注意下さい。
枢機卿の姿
コンクラーベを行うために、礼拝堂前の広場に枢機卿達が集まっているシーンがある。枢機卿の正装姿でタバコを吸いながら会話したり、ビデオ撮影していたり、携帯電話をかけていたりと、私の思い描いていた「イメージ(画)」とは程遠い光景に初めて観た時は驚いた。
日本で例えるなら、お坊さんが袈裟を着た姿を見てどんな「画」を思い浮かべるか?ということ。世俗から離れた人の「画」を思い浮かべる。タバコを吸う姿・ビデオ撮影する姿・携帯電話で話す姿、どれも俗世間の「画」だ。
では神主さんはどうか?これもお坊さん同様、世俗から離れた人の「画」を思い浮かべる。
実際の枢機卿も映画のようなのか、それとも違うのか、私には分からない。実際には違うけれど、監督に何か意図があってそう描いたのかもしれない。
「ラ・プルガだ!」
ラングドンが犯人からのメッセージの意味を説明する中で、「ラ・プルガ(報復)だ!」と、言うシーンがある。その場に居た人達(ヴァチカン警察・スイス衛兵隊隊長含む)に、かつて教会がイルミナティにしたことを犯人が教会にしようとしている、と伝えたかったのだが、何に対する「ラ・プルガ(報復)」なのかを理解する者が1人もいなかった。これに呆れたラングドンのセリフが、
「歴史をちゃんと勉強してほしいよ。」(字幕版)
「自分たちの歴史をちゃんと読んでほしいものだ。」(吹替え版)
今ヨーロッパで起きているテロや難民問題についても、歴史を知っているのといないのとでは、感じ方も思うところも違ってくると思う。歴史を知らなければ、起きていることの本質を見抜くことが出来ない。
考えさせられるセリフだ。
国の描き方
犯人(国籍不明)が紅茶を入れるシーンからは国籍がイギリスであることを想像させる。アメリカ人のラングドンがしている腕時計にミッキーマウスの絵が描かれていたのを見たときには、ほんの少しだけ笑えた。シリアスなシーンだっただけに、それどころではなかったのだが。日本人だったら、キティちゃんだったのだろうか?
コンクラーベの様子をTV中継する各国の報道が面白い。作中で出てきたのは、イタリア・ドイツ・スペインの3カ国だけだが、自国の枢機卿が新皇教の有力候補だと報道していた。他の国もおそらく同じように「我が国の枢機卿こそが・・・。」と報道していたに違いない。
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