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映画「中国の鳥人」(1998)

あらすじ

 仕事のため中国の奥地、雲南省を訪れることになった商社マンの和田(本木雅弘)。中国で待っていたのは、変な日本語を話す中国人ガイドのチン(マコ・イワマツ)と泥まみれのワゴン車。そしてワゴン車に乗り込んできた、見知らぬヤクザの氏家(石橋蓮司)。3人がやっとのおもいで辿り着いた村には、「鳥の人」になるための学校があった。日本とは時間の流れるスピードの違う村。この村で過ごす和田と氏家に、少しずつ変化が現れるのだが・・・。

 原作は椎名誠の小説「中国の鳥人」、監督は三池崇史

 

予告編 を下記より見ることが出来ます。

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まるで漫画

 雲南省の村に向かう和田たち。おんぼろワゴン車は走っている最中にドアが外れ、ハンドルが抜ける始末。やっと着いたかと思えば、チンが言う「船」に乗り川を上らなくてはならない・・・。途中チンが記憶をなくしたり嵐に見舞われたりで、村に辿り着くまでの様子が面白可笑しく描かれている。

 

鳥人学校?

 村には「鳥人学校」というものがある。チンの説明では、「鳥の人になるための学校」のようだが、この学校の先生をしているのは1人の少女だ。昔、村にあった「鳥人伝説」を復活させた彼女の祖父。村の若者からは頭のおかしな人物としてバカにされていたようだが、その祖父は空からやって来たという謎めいた過去を持っていた。そしてその過去が和田と氏家により明らかにされていく・・・。

 

和田と氏家の内面

 前半はこの映画は喜劇なのか?と思っていたが、村に着いてから和田と氏家の内面的な部分が描かれるようになる。今では殆ど見かけなくなったカセットテープだが、作中活躍する重要なアイテムだ。デジタルでは表現できないアナログならではの表現が、和田の心を表しているようでもあり、シーンに深みを与えているように感じる。そして毎晩うなされている氏家の悪夢の描写は、この映画の中で印象に残るシーンの1つだ。後の彼の行動や選択に繋がる重要なシーンでもある。

 

三池崇史 監督

 三池作品は、ジャンルも作風も実にバラエティーに富んでいる。随分前にインタビューで自分の仕事を「隙間産業」と言っていたと記憶している。「大作と大作の間を埋める作品を作る」と言う意味で、こう表現されていたようだ。大作は年に数本あればいいが隙間を埋める作品は数が必要だ、とも。今ではとても「隙間を埋める作品」とは言えない規模の作品を多数作っているが、制作ペースが早いのはこの「隙間産業」からきているのだろう。数年前のインタビューでは作品はオファー順に作る、断らないと答えていた。作風がバラエティーに富んでいる理由は、このオファーを「断らない」にあるのかもしれない。 

 

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