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ウェイワード・パインズ/シーズン2 第2話「若き独裁者」

あらすじ

 ピルチャー(トビー・ジョーンズ)の残したメッセージ映像が街で配信され、それを見ている住民たち。「掟を破った者には容赦はしない。公衆の面前で責任を取ることになる。」と語るピルチャーの映像の後、壁の外の映像に切り替えるジェイソン(トム・スティーヴンス)。壁の外に出されたテオ(ジェイソン・パトリック)、ベン(チャーリー・ターハン)、ザンダー(ジョシュ・ヘルマン)の3人を見せしめにするかのように・・・。しかし映し出されたのは彼らを素通りし、異常な行動をとるアビーの姿だった。

 

男性版アンブリッジ

 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」に登場する人物、ドローレス・アンブリッジ。ジェイソンの言動はこのアンブリッジに似ている。彼女よりはマイルドだが、程度の差こそあれ本質は同じだと思う。

 街の掟では、第一世代同士が傷つけ合うことを禁止している。しかし第一世代のベンを壁の外に出している。掟を破った住民は処刑し、自分は掟を守っていないのだ。色々と理由を付けてはいるが、自分勝手な屁理屈にしか聞こえない・・・。

 テオに関しても処刑を目撃した彼の反応を見て、第2のイーサン(マット・ディロン)になると判断し、壁の外に出しておきながら、ケリー(ケイシー・ロール)が負傷すると街に連れ戻している。矛盾に満ちたジェイソンの言動は、正に「男性版アンブリッジ」なのである。

 

深刻な食糧不足

 収獲を議題にした会議に出席するCJ(ジャイモン・フンスー)。彼の説明では、土の化学物質レベルが変化したために、壁の内側では作物を作れなくなっているようだ。どういう事情でそうなったのかは語られていなため不明だが、作物は壁の外で作り収獲しなくてはならない。もしアビーの襲撃により収穫に失敗すれば、住民は飢え死にすることになる・・・。

 一方、病院で子供の診察をしたテオは、体調不良の原因は栄養不良と診断。街の食糧事情は知っていたテオだが、マルチビタミン剤などは限られた人にしか配られていないことを知る。

 

 

メーガンの立場

 シーズン1では教師だったメーガン(ホープ・デイヴィス)。第2話でアビーの研究を監督する立場になっていることが明らかになるが、学校での授業も行っているようだ。授業中、生徒のフランクからアビーの異常な行動に対し「壁を越えようとしていた。またやるの?」との質問が出る。その質問に対する彼女の答えは曖昧だ。「いいえ、私たちが団結している限り街はうまくいく。支え合えば安全に暮らせる。」のだと・・・。彼女の言うように住民が団結し、安全に街の中で暮らしていたとしても、外からのアビーの脅威がなくなるわけではない。現実を見ようとしない彼女の言葉は、ルーピン(映画「ハリー・ポッター」の登場人物)の言う、「恐怖のあまり思考が歪み、現実を直視できない」現れなのだろうか?彼女は「アビー襲来の日」を知る人物の1人であり、脚が不自由になったのもその時にアビーに襲われたからだ。

 

関連記事

 

映画「ハリー・ポッターと死の秘宝」

あらすじ

Part 1(2010年公開)

 「闇の帝王」の脅威が増す中、新魔法大臣スクリムジョール(ビル・ナイ)が闇の力に屈しない旨を宣言。しかし大臣は殺され魔法省はヴォルデモート(レイフ・ファインズ)の手下である死喰い人(デス・イーター)たちに乗っ取られてしまう。そしてホグワーツの校長の座にはスネイプ(アラン・リックマン)が・・・。問題分子として追われるハリー(ダニエル・ラドクリフ)は、ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニーエマ・ワトソン)と共に、ヴォルデモートを倒すべく「分霊箱(ホークラックス)」を探す旅に出る。その途中「死の秘宝」の伝説を知ることに。

 

 

Part 2(2011年公開)

 「死の秘宝」の1つである「ニワトコの杖」を手に入れたヴォルデモートは更に力を増す。しかしハリーたちが分霊箱を追っていることを知り焦り始める・・・。一方、分霊箱の1つがホグワーツにあることを知ったハリーたちは、ホグワーツへ向かうことに。ホグワーツを舞台に分霊箱を見付け破壊しようとするハリーたちと、それを阻止しようとするヴォルデモートとの壮絶な戦いが始まる。

 

 

 ハリーポッターシリーズ第7・8作目。監督は新シリーズ「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を手掛けることになったデヴィッド・イェーツ、原作はJ・K・ローリングの小説「Harry Potter and the Deathly Hallows」。

 

ダンブルドアの形見

 ダンブルドアマイケル・ガンボン)はハリーたちに形見を遺している。ロンには「灯消しライター」、ハーマイオニーには「吟遊詩人ビードルの物語」、ハリーには初めてのクィディッチの試合で捕まえた「金のスニッチ」を遺した。

 

死の秘宝

 世界最強の力を持つ「ニワトコの杖」、愛する死者を蘇らせる「蘇りの石」、姿を消すことが出来る「透明マント」の3つを指し、集めれば「死を制する者」となるとされる。

 

予告編 Part 1

追記(12月3日)

1月6日までの期間限定でシリーズ全8作品が Hulu で配信中。

 

マルフォイ親子

 ヴォルデモートの恐怖による支配から、逃れられないマルフォイ親子。前作でドラコ(トム・フェルトン)は自分の意志に反する「名誉な役目」を実行しなければならなかった。そしてその役目を心配した母親のナルシッサ(ヘレン・マックロリー)は、スネイプに相談している。本作でも息子の安否をハリーに尋ねる場面がある。父親ルシウス(ジェイソン・アイザックス)には、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」に登場したときのような自信に満ちた姿はもうない。最後は息子を心配する1人の父親でしかなかった。ホグワーツを後にする親子の後ろ姿が、家族の無事が確認でき「ほっ」としているように見える。

 

 死の恐怖と混乱の中では疑心暗鬼に陥り、自分の身や家族を守るための裏切りが生じる。本作では裏切りによりハリーの身が危険にさらされ、犠牲者も出ている。しかしハリーとは敵対関係にあるはずのドラコは、ヴォルデモートにハリーを差し出すことに抵抗を感じている様子がうかがえる。ハリーもまたドラコを助ける場面がある。立場は違う2人だが、戦いを望んでいないという点は同じだと思う。追いつめられた状況の中で自分を見失わず、冷静に判断できる2人と言えるかもしれない。

 「不死鳥の騎士団」までは「小憎たらしいガキ」だと思っていたが、「謎のプリンス」以降のドラコは別人だ。そして忘れてはならない存在として、セブルス・スネイプがいる。真実が明らかになった時、これまでの彼の言動の本当の理由が理解できる。観ている私の感情は、ドラコとスネイプに支配されてしまう。

 

憂いの篩(ふるい)

 死を覚悟したハリーの前に現れたダンブルドアは、死後もなおハリーを導く師として存在する。彼はハリーたちに形見を遺した。ロンに「灯消しライター」を遺したのは、ハリーにでもハーマイオニーにでもなく、ロンに必要な物だったからだ。なぜその形見を遺したのかを考える時、ダンブルドアの遺志が伝わってくる。

 映画の中で何度も出てくる「憂いの篩」は、人の記憶を見るための道具だ。勿論、実際に存在するものではなく、物語の中でのみ存在する道具だが、「憂いの篩」に代わるものがあるとするならば、それは形見なのかもしれない。故人の遺志を読み取る「憂いの篩」が形見なのだと、そう思うからだ・・・。

 

予告編 Part 2


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映画「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2009)

あらすじ

 「闇の帝王」の復活により、魔法界だけでなくマグルの住む世界(人間界)も襲う「死喰い人(デス・イーター)」。ホグワーツも、もはや安全ではなくなった。ダンブルドアマイケル・ガンボン)はハリー(ダニエル・ラドクリフ)をある村に連れて行く。そこにはヴォルデモート(レイフ・ファインズ)に関わる重要な秘密を知る人物がいた。ヴォルデモートに関する過去を知ることが、戦いに勝つためのカギとなる。そして、ハリーが手にした古い魔法薬の教科書に記された「半純血のプリンス」とは?

 ハリーポッターシリーズ第6作目。監督は新シリーズ「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を手掛けることになったデヴィッド・イェーツ、原作はJ・K・ローリングの小説「Harry Potter and the Half-Blood Prince」。

 

 

スラグホーン先生

 ホラス・スラグホーン(ジム・ブロードベント)は魔法薬学の教師。優秀な生徒の写真を棚に飾る趣味がある。才能があるだけでなく有名人でもあるハリーは、正にスラグホーン好みの生徒で、彼の「収集」の対象となりそう。

 

半純血のプリンス蔵書

 マクゴナガル(マギー・スミス)の薦めで、魔法薬の授業を受けることになったハリーとロン(ルパート・グリント)。急な話で教科書を準備していなかった2人は、教室の棚に置いてあった教科書を借りることに。古い教科書と新しい教科書の2冊があり、新しい教科書を取り合いになった末、ハリーが負け古い教科書に・・・。授業で教科書通りに課題の薬の調合を始める生徒たち。ハリーが手にした教科書には、内容を訂正する書き込みがあり、書き込みに従いハリーは調合を進める。薬を見事完成させた生徒はハリーだけだった。教科書には「半純血のプリンス蔵書」と記されていた。

 

敵に使う呪文

「半純血のプリンス蔵書」の教科書を返却せずに持ち出したハリー。熱心に教科書を読むハリーは、「セクタムセンプラ:敵に使う」という書き込みを見付ける。この呪文を使う時、謎の「半純血のプリンス」の正体が明らかに・・・。

 

予告編

追記(12月3日)

1月6日までの期間限定でシリーズ全8作品が Hulu で配信中。

 

 「最も重要な記憶」として、ダンブルドアはハリーにスラグホーンの記憶を「憂いの篩(ふるい)」で見せる。しかし、その記憶はスラグホーンにより改竄されていた。 

 真実に紛れたウソは厄介だ。全部がウソならウソだと直ぐに気付く。しかし紛れ込ませたウソが1つなら、そのウソも真実だと思ってしまうからだ。逆にウソの中に紛れ込ませた真実が1つなら、その真実もウソだと思ってしまう。

 何か(情報)を人に伝える時、それを伝える側に悪意があれば、この方法で信じ込ませたいウソ、或いは隠したい真実を自由に操れることになる。何がウソで何が真実かは、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」でのマッド・アイ・ムーディの言葉を借りれば、「真偽を見抜くのが難しい」。

 

分霊箱(ホークラックス

 魂を分けて入れる箱のこと。切り分けた魂を分霊箱に隠すと、体が滅びても魂は生きる。つまり、不死身になるということだ。

 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」で登場した「トム・リドルの日記」は、ヴォルデモートの分霊箱の1つだったようだ。ヴォルデモートの分霊箱を探す手がかりとして、「強力な闇の魔法は、痕跡を残す」と言ったダンブルドアの言葉が、意味深に聞こえる。

 

 本作は、ハリー・ポッターシーリーズの中で1番好きな作品かもしれない。その理由はドラコの存在が影響していると思う。

 これまでクラッブ(ジェイミー・ウェイレット)やゴイル(ジョシュア・ハードマン)を引き連れて行動していたドラコ(トム・フェルトン)だが、本作では常に独りでいる。いつもの憎たらしさや意地悪もない。ロンとハーマイオニーエマ・ワトソン)を中心に学校が恋愛騒動にある中、孤独に「名誉な役目」と向き合っている。役目を果たそうとする彼の姿が、何とも痛々しい。

 

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