点 描 画 ~動画点~

映画・ドラマ・アニメなど、作品について書いています。

映画「シン・シティ」(2005)

あらすじ

 少女ナンシーを連続殺人鬼から救った刑事ハーティガン(ブルース・ウィリス)は、犯人の父親であるロアーク議員により、殺人鬼に仕立てられ刑務所に入れられる。そして8年の歳月が過ぎる。これまで罪を認めなかったハーティガンだったが、ナンシーの身に危険が及んでいることを知り、罪を認め釈放されることに。そして大人になったナンシー(ジェシカ・アルバ)を助けるため彼女に会いに行く。

 マーヴ(ミッキー・ローク)は酒場で知り合った高級娼婦ゴールディ(ジェイミー・キング)と一夜を共にする。その外見から彼に優しくする女性はいなかったが、ゴールディだけは違った。マーヴにとって彼女は女神だったのだ。そんな彼女が何者かに殺される。犯人への復讐を誓うマーヴ。

 ドワイト(クライヴ・オーウェン)の恋人シェリー(ブリタニー・マーフィ)に付きまとうジャッキー・ボーイ(ベネチオ・デル・トロ)とその手下たち。血に飢えた彼らを野放しに出来ないドワイトは彼らを追う。しかし彼らがオールド・タウンに逃げ込んだことで事件が起きる・・・。

 原作はフランク・ミラーのコミック「Sin City」。監督は「レジェンド・オブ・メキシコデスペラード」のロバート・ロドリゲス、原作者でもあるフランク・ミラー、そして特別監督としてクエンティン・タランティーノ

 

 

 この作品は公開当時に映画館で観て以来、約10年ぶりに観たが、いや~、カッコイイ!色使いもカット割りも画的に非常に魅かれる作品だ。予告編からも分かるように基本的に白黒の映像だが、所々に色付けされている。

 物語は3人の男の「愛」にまつわる話を中心に描かれている。ナンシーを守り抜こうとする男ハーティガン、ただ1人自分に優しくしてくれたゴールディを殺した犯人に復讐する男マーヴ、そして恋人シェリーを救い元恋人のゲイル(ロザリオ・ドーソン)と共に娼婦街オールド・タウンの女たちを守ろうと闘う男ドワイト。犯罪の街「シン・シティ」を牛耳る「ロアーク家の人間」VS「彼ら&女たち」の闘いの物語でもある。

 

その他の出演者

カーラ・グギノ:マーヴの保護観察官ルシール

 現在放送中(配信中)のアメリカのTVドラマ「ウェイワード・パインズ」にケイト役で出演。映画「スパイキッズ」、「ナイト・ミュージアム」他。

イライジャ・ウッド:無言の食人殺人鬼ケヴィン

 映画「ロード・オブ・ザ・リング」他。

デヴォン青木:殺人兵器ミホ

 映画「ワイルド・スピードX2」他。

マイケル・クラーク・ダンカン:義眼の男マヌート

 映画「グリーンマイル」、「アイランド」他。

ジョシュ・ハートネット:暗殺者

 映画「ラッキーナンバー7」、「パール・ハーバー」他。

 

予告編

 

追記:2017年3月30日

 本作品は、Huluで配信中。2017年3月30日時点での配信情報ですので、現在は配信が終了している場合もあります。詳細は Hulu の公式ホームページにてご確認下さい。

 ちなみに続編「シン・シティ 復讐の女神」(2014)は、dTVで配信中。こちらも配信状況は dTV の公式ホームページにてご確認ください。

 

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「SHERLOCK/シャーロック」シーズン4 予告編

 待ちに待った「SHERLOCK/シャーロック」シーズン4の動画が7月24日に公開された。イギリスBBCでの放送は2017年に決まったようだが、放送日の詳細がまだ分からないのが残念。予告編にはアメリカのTVドラマ「ウェイワード・パインズ」でピルチャーを演じたトビー・ジョーンズが出ている。小柄な体形とは逆に、何とも不気味な存在感がある俳優だ。

 

 シーズン4 予告編「これはもう、ゲームではない」

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 予告編の中のシャーロックは無精ひげをはやし、少し日焼けしているようにも見える。そして警察というより軍の登場?と思うシーンや、カーチェイスに爆発といった物々しい場面の他に、マスクをしたナースなど不気味なシーンも。今までのシーズンとは少し趣の違う、暗い雰囲気が漂っているように感じられる。個人的にはシーズン4で、シャーロックとモリーの関係がどうなっているのかも気になるところ。もちろん日本での放送・配信がいつになるのかが1番気になるところだが・・・。

 また何か新情報を見付けたら、ログを更新します。

 

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映画「凶悪」(2013)

あらすじ

 雑誌「明朝24」の編集部に届いた死刑囚からの1通の手紙。手紙の送り主である元暴力団の須藤(ピエール瀧)に面会し、取材をすることになった記者の藤井(山田孝之)。須藤が藤井に話した内容は、まだ誰にも話していない3件の事件についての告白だった。これらの事件の首謀者とされる謎の人物「先生(リリー・フランキー)」。須藤との面会を繰り返す藤井は、次第に取り憑かれたように取材にのめり込んでいく・・・。

 

 

実際にあった事件がモデル

 この作品も「冷たい熱帯魚」と同様、実際にあった事件を基に作れた作品だが、趣がかなり異なる。「冷たい熱帯魚」の登場人物は風変わりで、かなり個性的なキャラクターばかり。事件(物語)よりも人物に焦点を当てた描写を中心に物語が進んでいく感じだった。それに対して「凶悪」は、事件を淡々と描写し物語が進んでいく。この「淡々」と描かれるところにピエール瀧が演じる須藤と、リリー・フランキーが演じる先生・木村の不気味さや恐ろしさが表現されている。

 

現実逃避

 認知症の母親を妻(池脇千鶴)に押し付け、現実から逃げるように取材にのめり込んでいく藤井は、木村が逮捕されることに執念を燃やしていく。

 一方、死刑囚である須藤はキリスト教に入信、自分が殺した人たちのために祈りを捧げていると言う。裁判では「神様が私に生きて罪を償いなさい」と言ったとも。須藤の言動は死から逃れることのできない人間の、ある種の現実逃避とも取れる。

 

木村との面会

 最後に藤井が木村(先生)と面会するシーンで物語は終わる。木村が藤井に言う、「1つ教えてやろうか」と。藤井の本心を見抜く木村のセリフは印象的だ。

 

「普通」について考えてしまう・・・。

 「村上龍文学的エッセイ集」を読んでから(紹介してから)「普通」という言葉が使われていると「この人が言う普通とは何だろう?」と、考えてしまうようになった。この作品では認知症の義母の介護に疲れた藤井の妻が、夫に対し「あなたと普通に生活したいだけ」と言うセリフがある。この場合、彼女の言う「普通」とは認知症の義母がいない、2人だけの生活のことを指す。では、認知症の義母がいる生活は「普通ではない」のだろうか?高齢化が進み、寿命が延びた分だけ認知症を発症する人の割合も増えたのではないかと思われる。私の住む地域では、行方不明の高齢者がいる(見つかった)ことを知らせる有線放送が流れることは、珍しいことではない。作中では認知症の義母は施設に入れることになるのだが、施設に入れるだけの経済力があることが「普通」ということなのだろうか?単なる「願望」という気もしてくる。考えれば考えるほど分からなくなってくるのが、この「普通」という言葉だ。

 

視聴可能な動画配信サービス(追記:9月18日)

 本作品は、現在Huluで配信中。配信期間の記載がないため、配信終了日は不明。2週間の無料お試し期間あり。(2016年9月18日時点での配信情報ですので、現在は配信が終了している場合もあります。詳細は Hulu  の公式ホームページにてご確認下さい。)

 

予告編

 

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