TVドラマ「ダブルフェイス」
2002年の香港映画「インファナル・アフェア」をWOWOWとTBSの2つのテレビ局がリメイク。「ダブルフェイス 潜入捜査編」では、犯罪組織に潜入する警察官を主人公に、「ダブルフェイス 偽装警察編」では、犯罪組織から警察に送り込まれた男を主人公に物語は進んでいく。
「インファナル・アフェア」でトニー・レオンとアンディ・ラウが演じた2人の男を西島秀俊と香川照之の2人が演じている。
予告編
映画とドラマ
細かい設定は違うものの基本的な部分は映画と殆ど同じ。セリフも画的な構成も同じシーンが多い。映画では、2人は対照的に描かれていたが、ドラマでは同じような環境にある純 (西島秀俊)と亮介 (香川照之)の2人を対比させて描いている。映画で亮介役に当たる男ラウ(アンディ・ラウ)には妻がいて、幸せな新婚生活をスタートさせている。警察官としても順調に出世。これを恋人のいない独身の中年男という設定に変えることで、より純に近い環境を整え対比しやすくしているように思う。
ドラマが描いているもの
2つの顔(ダブルフェイス)。
1人の人間が持つ2つの顔。立場は違うが主人公となる純も亮介も、犯罪組織の男と警察官という同じ2つの顔を持っている。しかし警察官の純と犯罪者の亮介では、人間的な本質は全く異なる。2人とも本質を表す顔は1つだ。この異なる2つの本質(顔)の対決が、最後に待っている。
映画が描いているもの
地獄(インファナル・アフェア:無間道)。
映画では、「インファナル・アフェアⅡ」・「インファナル・アフェアⅢ」と続き、3作で1つの作品に仕上がっている。仏教の世界観を通して、登場人物たちの「地獄」又は地獄への「道のり」を描いている。全ての始まりとなる物語を「Ⅱ」で、そして全ての終わりとなる物語を「Ⅲ」で描いている。
ドラマの結末
純が死んだ後「警察官としての顔」だけで生きていけると思っていた亮介だったが、結局は組織とボスが変わるだけで、今までの生活からは逃れられない・・・。何とも皮肉なラストだ。エレベーターの歯車(モーター?)が、まるで亮介の姿を暗示しているかのように映し出されている。
以前、ウェイワード・パインズ 出口のない街 シーズン1 あらすじ/感想 の「全話観終わって」の中で書いた内容を思い出す。
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