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映画「さらば、わが愛 ~覇王別姫」(1993)

あらすじ

 1924年、京劇養成所に引取られた幼い小豆(シャオ・トゥ)。そこでは厳しい訓練が待っていた。立役者として訓練されていた石頭(シートゥ)、そして女形として訓練を受けることとなった小豆。成長した2人は蝶衣(チョン・ティエイー:レスリー・チャン)と小樓(シャオロウ:チャン・フォンイー)の名で京劇「覇王別姫」の人気役者となる。

 蝶衣は幼いころから小樓に想いを寄せていたが、小樓は娼婦の菊仙(チュー・シェン:コン・リー)と結婚してしまう。日本統治時代、第二次世界大戦共産党政権樹立、文化大革命と激動の時代を生きた3人の約50年に及ぶ人生を京劇を通して描いている。

 

 

 舞台と私生活を分けて生きている小樓。それに対して蝶衣は、舞台が全ての様な生き方をしている。彼女、いや彼には舞台でしか生きられないのかもしれない、そんなふうに感じる程だ。彼が小樓と菊仙の私生活を覗き見るシーンがあるが、その姿がまるで現実という「舞台」を観ているように思えた。

 監督はチェン・カイコー。彼の作品で映画「人生は琴の弦のように」という作品がある。その中で「人生は舞台の様なもの。」というセリフがあるが、それを思い出す。

 蝶衣と菊仙の関係も小樓をめぐる嫉妬に始まり、時には姉弟の様な、そして母と息子の様な、友情の様な複雑な感情が入り混じっている。

 映画やドラマを観ていて「なぜ○○なのか?」というセリフが出てくることがある。この作品もそうだ。セリフとしては出てこないが「なぜ?」を問う作品もある。この「なせ?」が、ラストに繋がっていく。

 

映画は生きもの?

 1990年代、2000年代、2010年代とこの作品を観るごとに違った面が見えてくる。初めて見たときは、登場人物に焦点がいっていた。それが時代背景にも目がいくようになり、登場人物を更に掘り下げてみることが出来るようになる・・・。同じ作品が自分の成長と共に生きているような、そんな感覚に陥る。

 

予告編

 

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